月4万円の掲載料をやめる前に、3ヶ月かけてやること

皆さん、こんにちは。植田です。

飲食店のオーナーさんと話していると、けっこうな確率でこの話になります。

「グルメサイトの掲載料、正直やめたいんですよね」

そして、そのあとに必ずこう続きます。

「でも、やめたら客が来なくなるのが怖くて」

今日はこの話を書きます。結論から言うと、やめるかどうかを今日決める必要はありません。 ただ、3ヶ月かけて準備しておくと、いつでも決められる状態になります。その準備の中身です。


その怖さは、気のせいではありません

まず、はっきりさせておきたいことがあります。

「やめたら客が減るかも」という不安は、気のせいではありません。 これは実際に起きることです。

国の調査でも、それがはっきり出ています。公正取引委員会が2020年3月に出した「飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書」という資料があります。全国の飲食店にアンケートをとった、かなり大がかりな調査です。

6年前の調査なので、いまの各サイトの料金や仕組みはまた違っています。ただ、店とサイトの力関係の話は、いま聞いても古びていません。

その中に、こういう数字があります。

有料で契約している飲食店のうち、約30%が、他のサイトやSNSに切り替えることは「不可能」または「不可能ではないが、困難」と回答している

3店に1店です。「やめられない」と感じているのは、あなただけではありません。

同じ報告書には、飲食店へのヒアリングとして、こんな声も載っています。

グルメサイト経由で来店する客は3から4割程度しかいない。グルメサイトを利用せずに、自力で経営を続けるのは難しいと思う

ここ、よく読んでください。来る客の3〜4割のために、抜けられなくなっている。 これがいまの構造です。


なぜ、抜けられなくなるのか

理由はシンプルです。受け皿を持っていないからです。

グルメサイトは、2つの仕事を同時にやっています。

  • 知ってもらう(店を探している人に見つけてもらう)
  • 予約を受ける(その場でネット予約が完了する)

この2つを丸ごと外部に預けている状態で解約すると、両方が同時に消えます。 だから怖い。当たり前です。

逆に言えば、この2つを1つずつ自分の側に移しておけば、怖さは消えます。

やめる/やめないの決断より先に、受け皿を作る。順番はこれです。


正直に言うと、切り替えた直後は数字が落ちます

ここは隠さずに書きます。

受け皿を作ったうえで解約しても、直後は予約が落ちます。 どのくらい落ちるかは店によります。立地、業態、常連の比率、全部違うので、私にも「◯%落ちます」とは言えません。

ネット上には「グルメサイトをやめたら売上が上がった」という景気のいい話も転がっていますが、それは結果が出た店の話です。 うまくいかなかった店は記事を書きません。

だから、いきなり全部やめない。3ヶ月、両方動かす期間を作ります。


3ヶ月の順番

1ヶ月目:受け皿を作る

やることは2つだけです。

  • Googleビジネスプロフィールを、すみずみまで埋める(無料)
  • 公式サイトに、予約への道を1本だけ通す

この月は、まだ何も解約しません。作るだけです。

2ヶ月目:いま来ている客を、受け皿に移す

新規のお客さんではなく、すでに来ている常連さんから移します。 ここが一番大事なところです。

  • レジ横に、店のGoogleマップに飛ぶQRコードを置く
  • 会計時に「次回はこちらからも予約できます」と一言添える
  • 名刺・ショップカードに公式サイトのURLを入れる
  • レシートの裏に印刷する

地味です。でも、すでに来てくれている人が一番動いてくれます。

3ヶ月目:数字を比べる

予約が入ったら、どこ経由かをメモするだけです。ノートでも構いません。

グルメサイト経由  ◯件
電話             ◯件
Googleマップ経由  ◯件
公式サイト経由    ◯件

3ヶ月ぶん貯まると、掲載料が1件あたりいくらになっているかが出ます。 ここまで来て、はじめて「やめる/続ける」を数字で決められます。

4ヶ月目に判断する。 これが現実的な順番です。


1ヶ月目に、自分でやること

Googleビジネスプロフィールの話をもう少しします。ここが受け皿の中心になるからです。

Googleは、地図の検索結果で店が出てくる順番について、3つの要素で決めていると公式に説明しています。

関連性(検索語句とビジネス プロフィールが合致する度合い)
距離(検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離)
知名度(ビジネスがどれだけ広く知られているか)

距離はどうにもなりません。知名度もすぐには動きません。でも「関連性」は、今日から自分で上げられます。

やることは、情報を埋めることです。

  • 業種(カテゴリ)を正しく選ぶ(「レストラン」ではなく「焼鳥店」のように具体的に)
  • 営業時間を、祝日ぶんまで入れる
  • メニューを、価格つきで入れる
  • 写真を入れる(外観・内観・料理・メニュー表)
  • 予約リンクに、公式サイトの予約ページを入れる
  • 電話番号を、店の番号にする

この作業は無料で、誰かに頼む必要はありません。 40分くらいで終わります。


そして、ここが決定的に違う点です

Googleの公式ヘルプには、こう書いてあります。

Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません。

Googleマップの順位は、お金で買えません。

先ほどの公正取引委員会の報告書には、飲食店からのこんな声が載っています。

表示順位を上げなければならないと言われると、表示順位が上位に来るような高額プランの契約を押し切られ、契約せざるを得ない担当者も多い

この構造が、Googleマップには無いということです。

さらに同じ報告書によると、消費者の約89%は、グルメサイトの表示順位がどう決まっているかを知りません。約59%の人は、多くても3ページ目までしか見ません。

知らないまま、上のほうから選んでいる。 その「上のほう」が何で決まっているかが、グルメサイトとGoogleマップでは違う。ここは押さえておいて損はないと思います。


やってはいけないこと、2つ

1つ目。いきなり全部解約すること。

受け皿ができる前に切ると、本当に何も来なくなります。3ヶ月待ってください。

2つ目。「Googleマップの順位を保証します」と言う業者に頼むこと。

さっき引用したとおり、Googleは金銭で順位を動かさないと明言しています。 保証できるはずがありません。それでも保証と言うなら、何を根拠にしているのかを必ず聞いてください。

ちなみに私も、順位や来店数をお約束することはしていません。できないことをできると言わないのが、この仕事の最低ラインだと思っています。


まとめ

  • やめる/やめないを、今日決めなくていい
  • 先に受け皿を作る。1ヶ月目は作るだけ
  • 2ヶ月目に、いま来ている客を移す
  • 3ヶ月目に、経由をメモして数字を出す
  • 4ヶ月目に、数字で決める

グルメサイトが悪だとは思っていません。予約の受け皿としては、今もよくできています。 ただ、認知まで丸ごと預けたままだと、金額の交渉ができなくなる。それだけの話です。

選べる状態を作っておく。それが3ヶ月の意味です。


自分の店の場合はどうか、いっしょに見ます

ここまで読んで「うちの場合はどこから手をつければいいんだろう」と思われたなら、一度お聞かせください。

いまの集客の入り方をうかがえば、どこから着手すべきかをお伝えできます。順位や来店数をお約束することはしません。できることと、できないことを正直にお伝えします。


出典

※ すべて 2026-09-08 に実在とリンク先の内容を確認ずみ。