AIで作った料理写真やお店の画像を「実物」として使ってはいけない理由

カメラの交換レンズを正面から寄って撮った写真

AIで、料理の写真がきれいに作れるようになりました。

湯気の立つラーメン、断面のきれいなハンバーグ、照明の整った店内。

撮影をしなくても、数分で出てきます。

僕も使っています。写真を1枚も撮らずに、架空のカフェのホームページを作ったことがあります。写真12枚は、全部AIで作りました。

だからこそ、はっきり書いておきます。

AIで作った写真を「うちの料理です」「うちのお店です」として出すのは、やめてください。


これ、やっていませんか?

  • メニュー表やWEBサイトに、AIで作った料理写真を載せている
  • Googleマップに、AIで作った店内や料理の写真を上げている
  • 実際より広く、明るく見える店内の画像を使っている
  • AIで作った架空のお店のホームページを、「制作実績」として見せている

どれも、悪気なくやってしまいがちなものです。


なぜダメなのか?

1. 景品表示法の「優良誤認」に当たるおそれがある

景品表示法は、商品やサービスの品質などを、実際のものよりも著しく優良であると示す表示を禁止しています。

消費者庁は、これを「優良誤認表示」と呼んでいます。

実物より大きく、豪華に見える料理の写真で注文を集めれば、この形に近づきます。

AIで作ったかどうかは関係ありません。問題は、実物と違うものを、実物として見せることです。

2. Googleが「ありのまま」を求めている

Googleは、ビジネスプロフィール(Googleマップのお店の情報のこと)の写真について、こう書いています。

大幅な加工や過度のフィルタ、AIの使用は避け、雰囲気をありのままに伝える画像を選ぶ。

Googleマップの写真は、お店を探している人が「行くかどうか」を決めるための材料です。AIで作った写真は、その目的に合いません。

3. 「制作実績」と呼ぶと、信用を一度に失う

僕がAIで作った架空のカフェのサイトは、「制作サンプル」と明記して、会社のWORKSのページに載せています。

「実績」とは呼んでいません。

架空のお店のサイトを実績として見せれば、それは嘘になります。一度ばれたら、本物の実績まで疑われます。

実績が欲しいなら、知り合いのお店で本物を1件作るほうが、ずっと強いと考えています。


実際に、何が起きるのか?

一番先に起きるのは、法律の話より、お客様の反応です。

  • 写真を見て来たお客様が「写真と違う」と感じる
  • その気持ちが、口コミに書かれる
  • 次に来るはずだったお客様が、その口コミを読む

料理がどんなにおいしくても、「写真と違った」という最初の印象は消えません。

期待を上げすぎた分だけ、がっかりも大きくなります。


代わりに、どう使えばいいのか?

AIの画像を使ってはいけない、という話ではありません。

使う場所を分けるのが答えです。

  • ○ 雰囲気を伝える所:ブログの記事の一番上の写真、チラシの背景、季節の飾りのイメージ
  • ○ 架空だと分かる所:「制作サンプル」「※写真はイメージです」と、読める大きさで書いてある所
  • ✕ 実物を見せる所:メニューの料理写真、Googleマップの写真、店内の写真、商品の写真

ちなみに、このブログの記事の一番上の写真も、AIで作っています。

記事の中身を写したものではなく、記事の雰囲気を伝えるための写真だからです。

料理、店内、外観は、スマホで撮った実物の写真のほうが、お客様の役に立ちます。

撮り方は、Googleが示している基準どおりに、手順を書きました。

Googleマップのお店の写真を、自分で整える手順|外観・店内・料理を3枚ずつ


「※写真はイメージです」と書けば大丈夫か?

書かないより、書いたほうがいいです。

でも、書けば何でも許されるわけではないと、僕は考えています。

小さな字の「イメージです」より、大きな写真の印象のほうが強く残るからです。

実物の料理を載せる場所には、実物の写真を載せる。これが一番安全です。


まとめると…

  • AIで作った写真を、実物として見せるのはやめる
  • 実物より著しく良く見せる表示は、景品表示法の優良誤認に当たるおそれがある
  • Googleは、ビジネスプロフィールの写真に「ありのまま」を求めている
  • AIの画像は、雰囲気を伝える所と、架空だと分かる所で使う
  • 架空のサイトは「制作サンプル」。実績とは呼ばない

AIは、道具としては本当に便利です。だからこそ、使う場所だけは人が決める必要があると思っています。

AIに任せたときの失敗談は、こちらにも書いています。

AIに記事を書かせ、AIに採点させたら73点で止まった|直す回数より、書かせる前が9割


「これはセーフか」をいっしょに見ます

お店のホームページやメニューに、AIの画像をどう使うか迷ったら、一度お聞かせください。使っていい所と、やめたほうがいい所を、実物を見てお伝えします。

うまくいったことも、外したことも、自分の会社で試した範囲で正直にお話しします。


参考